A.発泡スチロールは50年ほど前にドイツで発明されたので、原料の名称であるStyrol(ドイツ語)から派生した「発泡スチロール」という呼び名が一般的に親しまれています。また、一方で、Styrene(英語)に由来する「発泡ポリスチレン」や「フォームスチレン」「発泡スチレン」等々、沢山の呼び名もあります。日本工業規格(JISA9511)では「ビーズ法ポリスチレンフォーム」という名称が採用されており、製造方法の異なる押出法ポリスチレンフォーム(XPS eXtruded
Poly-Styreneの頭文字)と区別しています。
最近では、土木や建築・建材の分野で「EPS(Expanded Poly-Styreneの頭文字)いう略称で呼ばれる事が多くなってきていますが、梱包材に使われている一般的な発泡スチロールとは異なり、これらの分野では通常、JISA9511による試験で火源を後退させると、3秒以内に火が消えるグレードが使われています。
沢山の名前があるというのは、歴史が長く、様々な品種が多くの用途で利用されている証拠ともいえます。
JISA9511 | ビーズ法ポリスチレンフォーム |
略称 | EPS 発泡PS |
一般名 | 発砲スチロール 発泡スチレン樹脂 |
その他別称 | 発泡ポリスチレン フォームスチレン ポリスチレンフォーム |
A.EPSは昔も今も全てのグレードで特定・代替を問わず、フロンを一切使用していないノンフロン断熱材です。
A.EPSの原料は、中に発泡剤が入った直径1ミリ程度のポリスチレンの粒(ビーズ)です。この原料ビーズを蒸気(スチーム)で加熱し、約50倍に膨らませて作ります。約50倍の発泡体のため製品全体(体積)の98%が空気でできており、石油製品の原料ビーズは、わずか2%しか使われていません。また、原料ビーズの生産に必要な石油は日本の石油総消費量のわずか0.08%です
A.EPSは、無数の細かな「空気の部屋」の集合体です。この部屋では、空気の対流が少ないので、熱が伝わりにくくなります。だから、無数の「空気の部屋」があるEPSは熱を通しにくく、「温かいものはあたたかいまま」「冷たいものは冷たいまま」に保てるのです。発泡スチロール製品は断熱性により、省エネルギー、CO2の削減に貢献しています。
A.製造工程においてシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを一切使用しておりません。よってJISA9511でも無試験でF☆☆☆☆表示可能となっております。
A.EPSは地球温暖化・オゾン層破壊に配慮したグリーン購入適合商品です。
A.長期間紫外線にあたると表面が劣化します。保管時は出来る限り直射日光をさけ養生シート等で保護して下さい。
A.EPSは、有機溶剤(アルコール類を除く)や石油類に侵されますので、接着剤には以下のものをご使用ください。
・水系接着剤
・酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤やアクリル樹脂系
・エマルジョン接着剤(アルコール類やノルマルヘキサンを溶剤に使ったもの)
・ゴム系接着剤(アルコール類やノルマルヘキサンを溶剤に使ったもの)
・エポキシ樹脂系接着剤
・ホットメルト系接着剤
・セメントモルタル系接着剤
・アスファルト系接着剤
・変性シリコン系接着剤
・ウレタン系接着剤
EPSの耐薬品性は低密度品ほど影響を受けやすいので、接着剤の選択の際にはご注意ください。また、接着剤の内容物は、明記されていない場合があります。事前にテストするか、発泡スチロール用接着剤であることを接着剤メーカーに確認することをお奨めします。
A.EPSの断熱性能は密度によって異なり、JISA9511「発泡プラスチック系保温材」に規定されています。
A.省エネ基準に基づき、断熱材の厚さは省エネ工法、施工部位、地域区分に応じ異なります。詳細は下記を参照下さい。
A.EPSは炭化水素発泡ガスを用いておりますが、製造後、短期間で大部分のガスは空気と置換される為、長期に渡って熱伝導率の変化が小さい断熱材です。